赤い公園「透明なのか黒なのか」

透明なのか黒なのか

透明なのか黒なのか

昨年の夏くらいからよく名前を見るようになったこの「赤い公園」と言うバンド。
噂では各レーベル間での争奪戦があったらしいですね。そして満を持してEMIから先日15日にミニアルバム「透明なのか黒なのか」でメジャーデビューしましたね。
女の子4人からなるバンドで、楽器はギター、ベース、ドラム、そしてボーカルがキーボードを兼任しています。


率直に言って凄くいいアルバムでした。
アルバムが出る直前の2月6日に下北沢のBasement Barで初めて彼女らのライブを見たのですが、その時はそれはもうビックリしました。評判通りだ、これまたすげーバンドが出て来たな、と。いつの時代だってセンセーショナルなバンドと言うのは現れますが、2012年の最初のそれはこの赤い公園で間違いないと思います。


ライブで白装束を纏ってパフォーマンスをすることがよく随所で言われていたのである種イロモノ的なのかなと言う先入観を持っていたのですが、そんなことはありません。しっかりしています。


アルバムの収録曲は9曲ですが、途中の4曲はCM的役割なので実質「塊」「透明」「潤いの人」「副流煙」「世紀末」の5曲です。
どの曲もハイクオリティで突き抜けてます。ライブを見た時に色々剥き出しだな、と思ったのです。何が剥き出しかは自分でも上手く説明出来ないところですが、音源聴いても思いました。剥き出しです。


全体的に「そうそう!こういう音が欲しかった!」と言ってしまうような曲ばかり。まあ僕個人、鍵盤の入ったバンドを好む傾向にあるって言うのもありますけどね(笑)
反面、先行配信されていた「透明」なんかでは「ええっ!そこでそんな音出しちゃうの?」みたいなのも。でもそれは悪い方向での裏切りではなくて、良い方面での裏切り。とにかくツボを突いて来ますよ。

不穏な空気を漂った、と言いますか、暗めな曲が多くて、特に「Yes, lonely girl」なんかは「30秒でわかるホラー映画」みたいな副題がつけられそう。昨日、夜中の真っ暗な部屋で聴いてたらビビりました(笑)
アー写なんかでも今のところ顔を見せていませんし、あまり素性も明かさず、主な活動がライブのみと言うところからもある種、心霊現象的なバンドかも、と思います。
しかしながら、その暗い空気の中にあるポップさ、と言うのがまた良い方向での裏切りを生んでくれます。



ライブで見入ってしまったのはベースラインの太さ、力強さ。いや、ホント凄いんです。この子ホントに女の子なんだろうか、と言うようなベース弾きです。
音チェックにステージに姿を見せた時のそのかわいらしい、肯定的な意味でいかにも普通の女の子と言った感じの子と言う印象が、ライブでのパフォーマンスで度肝抜かれて、また裏切られてしまいましたね。

ボーカルの声量も抜群です。力強くて、通る声ですね。ライブの時はその意外にもポップなキャラクターにビックリしましたが(笑)
ギターとドラムの技術も確か。ギターの方が曲を作っているとのことですがそこはイメージ通り、「どんなこと考えてたらこんな曲作れるのかな」を体現したような何考えているんだかわからない人でした(笑)



メジャーデビューしたてほやほやな彼女達ですが、最早日曜日に行われる「EMI ROCKS 2012」に登場します。
あの大舞台でどれだけの人の度肝を抜くのでしょうか。赤い公園現象はますます大きくなって行きそうで楽しみなところ。
そしてBasement Barと言う小さなハコで1度見ておけたのは大きいな、と個人的には思いました(笑)



まだ未チェックのは是非ともこのCD、手にとってみてはいかがでしょうか。EMI ROCKS行く方は予習一切なしで見るのもいいかもしれませんね。
以上ざっと感想でした。



P.S. 8曲目の「CRAZY 4 U '12 winter ver.」ってこれ元ネタとかあるのかな? 妙に耳に残るメロディと軽く意味不明な歌詞が頭から離れません(笑)